「ガヴェイン兄さん。サングラス貸して」
「サングラス?」
「うん。なるべく大きくて顔が隠れるやつ」
「ああ、変装用か。どこか行くのか?」
「アントーニョさんがC-1グランプリの決勝に進出したから応援に。野外だから顔隠して来いって」
「・・・・・・なあアーサー」
「なに?」
「どうせならとことん変装してみないか?」
「は?」
「よし、やれガヴェイン」

 いつの間にか近づいてきていたケイがアーサーを抱え込んで拘束する。
 驚いているうちにガヴェインが何処からともなく女物の服を取り出してきた。ご丁寧に化粧ポーチまで一緒だ。

「なんでそんなものがあるんだよ!?」
「忘れ物だ」
「忘れ物って・・・義姉さん、来たの?」
「違う。パース兄さんの荷物の中に紛れ込んでた」
「・・・またロケ先で会ってたのか」
「別に隠す関係でもないのになぁ・・・」
「前に兄さんにそのことについて聞いたんだけどな・・・」
「「うん」」
「ばれそうでばれないのが楽しいらしい」
「「・・・・・・」」








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 C-1・・・コメディアングランプリ