「あれ。シュヴァリエ、今日はお弁当なんだねー」 「・・・ヴァルガス」 食堂の片隅で弁当箱を広げる同業者に近づき、なんとなしに手元を覗き込んだフェリシアーノは弁当箱の中に広がるメルヘンなおかずに一寸思考を停止させた。 思うことはただ1つ――『似合わない』 「・・・凄く可愛いね。もらったの?」 「自作という選択はないのか」 「・・・だって、シュヴァリエって料理苦手でしょ?前に料理番組に出たとき、フライパンを蒸発させてたじゃん」 「確かにあまり得意ではない。だが、私はトマトの代わりにジャムを入れてスープを作ろうとはしない」 「えー。ロヴはおいしいって食べてくれるよー?」 「・・・哀れな」
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