果てしなく広がる銀世界。
一歩建物の外に出れば身を刺すような寒さが骨まで染み渡る。
ここはロシアの西部。
「とりあえず山があって民家がなくて空き地があるところ」という指定で探し出された場所に一番近い宿泊施設のある村だ。
撮影メンバーはバルト&ポーに北欧コンビ。
撮影は夜に行うということでメンバーの1人であるフェリクスが起きたのは昼であった。
「ねむ・・・」
時差ぼけでぼんやりした頭を覚醒させようと日に光を求めて窓のカーテンを開けた。
「・・・・・・・・・・・・」
たっぷり数分かけて沈黙した彼は、ゆっくりとカーテンを閉める。
そして窓から離れると素早い動作で着替え、寒冷地用の防寒をしっかりとして部屋を出た。
向かうは玄関。どうかしたのかと尋ねる宿屋の主を愛想笑いでやり過ごして外に出る。
そして叫んだ。
「トーリスー!!!!!」
窓の外に鎮座する巨大な雪だるま。その上ではしゃぐ相方。
建物と同じ高さの雪だるまはその日1日、見世物と化したとのことです。
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