「うふ、うふふふふふふふふふっふふふふふふふふふふふふっふふふふふっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」

 衣装の着物を着たままで暗いセットの裏に蹲る本田。
 目は虚ろで、少し開いた口からは延々と笑い声らしき音が漏れ続けている。
 以前、日本文化に触れようとかいう建て前で観た日本テレビ局の怪談番組に出てきた呪いの人形のようだ。
 あの監督ですら近づくことができずに視線を逸らしている。

「ね、ねえイムくん。本田さん、どうしちゃったのー?」
「〆切が近くて寝てないらしいんだぜ」

 ルーシーの問いに答えたイムの言葉に、ああ・・・と全員が納得した。

 表の顔は芸能界大御所、裏の顔は同人界の大手有名サークル。二足の草鞋生活は相当の疲労となっているようだ。

「ふっふっふっふふふふふふふふふふふふっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」

「”ふ”って言葉ってたくさん並んでると不思議な気分になるわねー」
「・・・・・・・・・誰か止めて欲しいんだぜ」