「リッヒ!!!!」
「おや、ギルベルト。どうかしましたか?」
「どうもこうもないっ。マリア先輩からお前を探してきてくれって要請がきたんだよ!てか寒い!」

 直接エーデルシュタイン宅まで行ってローデリヒの不在を確かめたギルベルトが知人友人のツテを駆使して突き止めた居場所は、小高い丘の上にある寂れた公園だった。
 当然、冷たい風を遮るようなものはない吹きさらしの場所だ。

「ああ、最初は夕日が沈んでいくのを見てたんですが、そのうち空が暗くなりだしたんです。空の色が変わっていく様子が綺麗なので見ていたら、夜になりまして、そうしたら雪が降り始めて地面が白くなり始め「つまり夕方から今までずーっとここで景色を見ていたわけかっ!」