「紅葉祭?」
「僕とアルフレッドくんが行ってる大学での文化祭のことなんだよ」
イヴァンから渡された薄い冊子を見、その表題を読んだアーサーにすかさず説明が与えられる。
「土日でやってるからさ、暇だったら来てみてくれよ」
「お2人は何かされるんですか?」
「僕はやらないなー。サークル入ってないし、役員でもないし」
「俺はサークルで出店をするよ」
「えーと・・・なんのサークルでしたっけ」
「歴史部さ」
「・・・・・・ああ、そうでしたね」
「何度聞いても似合わないよねー」
「酷いんだぞ、イヴァン!」
「あ、このサークルの屋台、おいしいよー」
「え、どれですか?」
喚くアルフレッドを他所に、パンフレットの構内配置図を覗き込んで印をつけていると撮影が終わったアジア組がやってきた。
「何を話してル?」
「あ、王さん。アルフレッドさんとイヴァンさんの学校で文化祭があるんだそうです」
「文化祭ですか、青春ネタには欠かせませんね。・・・紅葉祭?」
「文化祭のする日を学校の入り口や中庭に植えられた木が紅葉する時期に合わせてるからそう呼ばれてるんだ。流石に盛りの時期にはちょっと早いけど、モミジやイチョウがたくさんだから綺麗なんだよー」
「イチョウ・・・銀杏・・・」
「茶碗蒸しに入れると美味しいナ」
「D撮影所近くの街路樹が確かイチョウでしたよ」
「帰りに拾って帰るか・・・」
「いやいやいや、イメージ商売してる人がみみっちいことしないで」
「何を言ウ。拾って持って帰って調理するのが醍醐味だろウ」
「分かります。よっく、分かります」
「・・・本田さんはともかく、王さんは大丈夫な気がします」
「・・・・・・うん、まあ、そうかもしれないけどね」
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