「何かいいバイトはないだろうか」

 若干虚ろな目をしたエドワードが対面に並ぶ友人に問いかけた。

「・・・・・・どうした、エド」
「女でも孕ましたかー?」
「人聞き悪いこと言うな。・・・・・・ホワイトデーが来るんだよ
「あー・・・」

 一ヶ月ほど前に見たマンガのようなチョコの山を思い出し、3人ともが遠い目をする。

「今年も凄かったよなー」
「アーサーは稼ぎ時だからいいだろうけど、俺は極貧生活強いられるんだよ」
「でも今年もアーサーに材料代+手間賃で作ってもらうんだろ?そんなにかかんないんじゃねぇの?」
「・・・・・・・・・・・・」
「ドレーク。これ、エドのホワイトデープレゼントの必要額」

 手渡されたメモには、材料費やラッピング材のトータル金額が書き付けられていた。
 その数字の0は学生にはちょっと痛い数だ。

「・・・・・・あーらら」
「渡されたの全部受け取るから・・・」
「だってよ、いらないって言ったら泣かれるし。下駄箱とかロッカーとか机とかに勝手に置いてかれるし。ヘタすりゃ先輩とか同級生とかが預かって持って来るし」
「そこまでいくと有難迷惑だな・・・」
「だね。まあ、エド相手だし。分割払いでも出世払いでもいいよ。なんなら体で払ってくれてもいいし」
「・・・・・・お前が言うと卑猥さ皆無だな」