「獲ったー!!!!」
「獲ったどー!!」

 枝と石で作った即席のモリをもって叫ぶボヌフォア兄弟を海岸から見る菊の目はどこまでも温かかった。

「アルフレッドくん、はしゃいでますねー」

 ていうかフランシスくんまで・・・しかもあのフレーズはあれだよなぁ・・・と思いながら集めてきた薪を砂浜の乾いたところに放った。

「本当に遭難するなんて思いませんでしたよ・・・」

 早く救助してくれないかなーと遠い地平線を見ながら菊は思った。