「彼女を落とせないんです・・・」
「・・・・・・また新しいゲームか?」
「ええ・・・」

 若干憔悴した顔を上げた本田は、次の瞬間にぐわっと両手を振り上げて天を仰いだ。

「落ちないんです。落ちてくれないんですよおおおおおおお!」
「落ち着け」
「どこですか!どこの分岐点がダメなんですか!?」
「珍しいなー、あんたがそこまで苦戦してんのなんて」
「あああああ、なんででしょう!トゥルーエンドとノーマルエンドは行けたのに!ヤンデレエンドもバトルエンドも宇宙人エンドも出したのに!なんで心中エンドに行けないんですか!」
「・・・・・・心中?」
「崖に立ったと思ったら保険金狙いの殺人事件になるし!屋上に行ったと思ったら借金苦の自殺志願者を説得することになるし!」
「・・・落ちる=墜落死?」
「なあ本田。それどんなギャルゲー?」