お題『カバンの中♂ 粒ガム』


=主な用途=
 小腹が減ったとき。
 禁煙で口が寂しいとき。
 口臭が気になるとき。
 歯磨き代わりにしてもよし。

 また、車酔い対策として噛むのもよい。

 現在地、車内の助手席。
 後部座席にはヴァルガス兄弟とフランシス、アントーニョ。
 運転席に座るのは、ロック界の巨星と謳われながらも何故か配役はクラシックを嗜む貴族なローデリヒ・エーデルシュタイン。幼馴染兼従兄弟なだけあってその澄ました顔の下に隠れるちょぉーっと表に出せない部分は知り尽くしている。

 しかし知っているのに回避できないこともある。そのことほど虚しいことはない。

 わが従兄弟ローデリヒはスピード狂であった。さらに悪いことに高度なドライビングテクニックの持ち主でもあった。

 え?それがどうしたって?・・・車内の音を聞けば一発で分かる。

「ぎゃー!」
「わー!」
「うふふふふ」
「〜〜〜〜〜!!!??」
「うえぇぇぇ!?」

 ただいまハイウェイ爆走中。
 俺、死亡率最高潮。
 正直言って車酔いなんてどうでもいい。むしろそれどころじゃないというべきか。


 思いは1つ。
 誰かこいつを止めてくれ。






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 台詞は上からフランシス・ロヴィーノ・ローデリヒ・ルートヴィッヒ・フェリシアーノのつもり。