【シーランド君です!】の撮影が決定され、イギリスのシーランド公国を舞台とするこの話の撮影のために、アーサーとピーターがイギリスに行くことになった。これまでの撮影状態を考えれば当然とも言える。

「未成年を保護者の付き添いなしに海外に行かせられるか!」

 話を聞きつけたパーシヴァルが苦言を呈して、同伴を申し出たのもまあ許容範囲だ。

「兄貴ばかりずるい!」
「というわけでついてきたから」

 しかしそこに下の兄2人までも参加してきて即席家族旅行になったのはなんとも言い難かった。と後にアーサーはぼやいた。

「でも楽しかったです」
「うん。それはいいけどさ、スタッフの人たちの憔悴ぶりが凄いの・・・なんで?」

 かなり色々あったらしい。



(撮影中の休憩時間にて)

「兵隊さんがいっぱいですよー」
「ああ、凄いな」

 バッキンガム宮殿での衛兵交代式を見に来たのはよかったが、観光客の数が半端ない。
 はぐれないようにとピーターを肩にのせたパーシヴァルは、周囲を壁のように囲む観光客を見渡してピーターに気づかれないように溜め息を零した。

「さて、うちの弟たちは何処に行ったのかな・・・?」

 絶好調に(長男親子が)迷子中。

 休憩時間のたびに迷ってました。