アントーニョ(+ロヴィーノ)がギルベルトに聞きました。


「ギルベルトーなんか怖い話ないー?」
「怖い話?んなもんアーサーに聞けよ。あいつ上手だぞ」
「それやとロヴィーノが怖がって夜眠れんなってしまうやろ?やからギルベルト何かない?」
「怖くなんかないぞ、このやろー」
「んー・・・怖い話なぁ・・・ああ、この前アーサーの家に泊まった時にな」
「ぎゃぁ!」
「ロヴ?!」

 話の本筋に入る前に悲鳴をあげたロヴィーノの視線の先を見たアントーニョは、驚愕から転じた引き攣った表情でギルベルトを振り返った。

「・・・ギル・・・フランシスの恨めしそうな顔が怖いんやけど」
「・・・居たのか」

(仕切りなおし)

「あいつの家って地元じゃ有名な幽霊屋敷だろ?だから何か起こるかなーって内心ハラハラしてたわけだ。その日はムシ暑くて眠れなくてな、キッチンで水を飲んでたんだ。そして飲みかけのコップを何気なくテーブルの上に置くと、手を触れてないコップがひとりでに動いた」
「ポ、ポルターガイストか!?」
「・・・いや、上の部屋でアーサーがサンドバック相手に飛び足刀蹴りの練習をしていた」
「「・・・・・・」」
「そのときはそれで終わったんだが・・・。深夜、苦しげなうめき声にあわせて隣の部屋辺りのベランダがきしむ音がしたんだ。泥棒かと思って、俺はカーテンを開けて窓の外を見た。そこには・・・」
「こ、今度はなんや!?」
「アーサーが懸垂してた」
「「・・・・・・・・・・・・」」
「道理で最近のアーサーって一段と逞しい・・・」
「アントーニョとロヴィーノはともかく、お前はちったあ怖がれよ」