「よお、坊ちゃん。かっこいいおにーさん連れてんじゃん」
「・・・・・・」

 滅多にどころか全く大陸に出てこない島国の子供を見つけたから、軽いノリで話しかけてみたら、これ以上はないだろうと思えるくらい嫌そうな表情が返ってきた。

 小さな頃に支配したけどそれなりに可愛がっていたつもりなのに、どうしてこんなに捻くれて育っちまったんだろう。

「アーサー、知り合いか?」
「・・・・・・・」

 イギリスを人名で呼んだ男は、さりげない動きでイギリスを隠すように立つ。表情は友好的だが、身のこなしに隙がない。護衛かと思っていると、イギリスが男の服の袖を掴んだ。
 世話をしていた頃にすら碌に見なかった子供っぽい仕草に驚いているうちに男はイギリスを振り返る。

「アーサー?」
「近寄ると孕まされる・・・」
「いやいやいや、第一印象悪くしないで。というかせめて自己紹介させて」
「お前がエルの名前を聞くな、話すな、呼ぶな。腐る」
「俺病原菌!?」

***

<おまけ>
「・・・結局、誰だったんだ?」
「・・・海の向こうの変態だ」
「・・・・・・・・・」
「どうした?」
「いや、殺意とむなしさが少し・・・」
「?」



 ドレーク、自分の名前が嫌われている原因と出会う。

 時代は百年戦争終了後で、イギリス海賊時代の前ぐらい。
 海賊英は少年期の後半頃。まだ少し子供っぽい。
 これから悪いお兄さんに色々教え込まれてグレだします。