『無血停戦呼びかけ』




 後の世界史に目を向ければ 必ずこの単語が目に入る




 最大にして最悪の戦争と称された第三次世界大戦



 それを止め 今の世界を復興へと導いている イギリス・日本・スイスの3国のとった方法である



 その内容は今にも戦闘を開始しようとする国同士の間に割って入り 戦闘体制をとる両国の兵士・市民を傷つけることなく停戦へと促すというものだ

 もちろんただ呼びかけただけでなく 金融制裁や政治的呼びかけ 精神抑圧も行われた

 そして度重なる 永遠と錯覚するような殺し合いの日々に疲弊していた国々は それを甘んじて受け入れたのだ



 ”あの戦争は子供の喧嘩と同じ。本人たちは何が原因だったのか覚えておらず、泣き出しても止まらない。それは仲裁に入る親さえいればあっさりと止まる。だが、放っておくとどこまでも深刻化して怨恨を残す。”



 とある国の有力者が世界会議で残した言葉

 それに静かに頷く存在もいれば 困ったように笑った者もいた

 だがそのことを知る人は少ない



 歴史書に書かれることは実際にあったことの一部でしかない



 例え記されていることが真実だったとしても 全てが知らされるわけではない



 それはほんの些細なことで でも当事者たちにとっては重要なこと



 
   

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