カッ・・・コォンッ・・・
どこからかシシオドシの音が聞こえる。それに紛れて蝉の声。
室内よりも外のほうが涼しいからと、庭に畳を出してちゃぶ台を囲んだ。
フランス作だと言ってイギリスが持って来たシャーベット(自分の料理ベタを自覚しているイギリスは
別国のヨーロッパ菓子を持ってくることが多いのだ)が並べられる。
遠くで爆音がしたが誰も気にしない。
「これ、何味ですか?」
「えーと、リンゴとオレンジとブドウだな」
「ふむ・・・味は流石フランスであるな・・・」
木のきしむ音。響く悲鳴。
フランス作のジェラートはあっさりとしていて口当たりがいい。汗ばむ陽気にぴったりだ。
「本当においしいです」
「そうか、それはよかった」
爆音。今度は近い。
ジェラートの入っていた器を置いてスイスが視線を動かす。
「そろそろ移動したほうがよいかもしれんな」
「そうだな」
爆音がしたほうに目をやってスイスが問えば、中空に視線を惑わせたイギリスが同意した。食べ終わった
皿を片付けながら日本が立ち上がる。
縁側から屋内に入り、部屋の中を突っ切ると、壁に掛かった掛け軸を外した。その裏から隠し通路が表れる。
「どちら様でしょうね?」
「あー・・・フランスとアメリカ、中国に韓国・・・と、なんでスペイン?」
「フランスさんに巻き込まれたんでしょうか?」
「さあな。・・・あっちの騒がしいのとは別にドイツとオーストリアがいるらしい」
イギリスにしか見えない協力者の助言が外れたことはない。人外の存在の有無は問題ではないので誰も触れ
ないことにしているから、イギリスも何から情報を得ているのか明かすことはない。
装備を確認していたスイスに二国の視線がいく。
「準備はよろしいですか?」
「大丈夫だ」
「それではあちらの方たちが罠に掛かっているうちに離れるとしましょう」
重いものが落ちる鈍い音。誰なのか判別できるほど近くで悲鳴がした。
「ドイツさんとオーストリアさんはどこに?」
「少し遠くにいるから、あいつらに進む方向を先を教えてるんだろう。富士の樹海だからな、迷わないように警戒してるみたいだ」
「なら気づかれないようにすれば問題あるまい」
「ですね。次はどこに行きます?」
「山は見たから海がいいのである」
「沖縄だな。イリオモテヤマネコが見たい」
「じゃあ、チケットを手配しますね」
平和だ。時々降りかかってくる騒がしさを気にしなければ、日々平穏だ。
日本の技術。イギリスの情報収集。スイスの武力。
誰も邪魔は出来ません。
SHKは今日も絶好調です。
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会合中はひきこもりをどうにかしようとする国(国連メンバー)から逃げながら一緒に観光してます。
場所は主に日本(カラクリトラップを備えてるので)。
イギリスとスイスのところでもします。イギリスの所は庭が迷路になってるので皆迷います。スイスはまず
国境を越えれません。たまに他の国にも行きます。もはやひきこもりじゃない・・・
普段は集合日を知られることはないのですが、イギリスがフランスからジェラートを受け取ったのでばれました。SHKもそのことは分かっているので、追いつくまで待ってから逃げます。
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