「やっ・・・やめ、放せ!」
 圧し掛かってくる体を押し返そうと伸ばした両手は、片手で束ねられてシーツに押さえつけられた。
 首に這わされる舌が気持ち悪い。シャツは前を肌蹴させられて、拘束しているのとは逆の手が肌を撫でた。 ぞくりと背筋に走ったのは怖気。快感なんて感じやしない、感じたこともない。
「うるせえ・・・」
 埋めていた顔を上げたプロイセンに顎をつかまれ、口のなかに指を入れられたかと思うとそのまま口付けられた。 指が邪魔で、無遠慮に入ってくる舌を噛み切ることも出来ず、開いたままの口からどちらのものか分からない唾液がこぼれる。
「ん・・・ふっあ・・・」
 酸欠で体の力が抜けたのを見計らって唇を離し、力の抜けた両腕を手にとる。 ズボンのベルトで前腕部分を拘束すると今度は両手での愛撫を再開させる。
 起伏の少ない胸をまさぐり、敏感な部分を見つけるとそこに鬱血の痕をつけていく。 口付けるたびにびくびくと跳ねる体に気をよくして、下を覆う衣服に手をかけた。
「くっ・・・」
 動かせなくなった腕のかわりに足を振り上げるが、当たる前に膝を押さえ込まれて横っ面を殴られる。
 頭がシーツに叩きつけられて視界が歪んだ。
「大人しくしてろ。すぐによくなる」
 手加減のない暴力を加えておいて何を言うのか。罵声を返そうと開いた口は、悲鳴を叫ぶことになった。
 誰も侵したことのない秘所に指を入れられ、蠢く感覚に吐き気を感じる。
「やだ・・・いやだ!抜いて・・・!」
 泣き声の混じる哀願に不快そうに眉をよせたものの、行為をやめることはせず、むしろ指の本数を増やしていく。
「っ!?」
 背をのけ反らせながら声にならない悲鳴を叫ぶ。びくびくと意思と関係なく反応を返す体が自分のものでないようで恐ろしい。
 逃げようとする腰を押さえつけ、ゆっくりと内壁を犯していく。
「こんなもんか・・・」
 蜜をこぼすそこから指を引き抜くと、異物感をなくして気を抜いた瞬間をついて、自身を埋め込んだ。
「いっ・・・やぁああああああぁ!」
 痛い、熱い、嫌だ・・・嫌だ!
 見開いた目から涙がこぼれる。それを拭おうと手を伸ばしたプロイセンは、イギリスの発した声に動きを止めた。
「や・・助け・・・やだっ、・・ンス・・・フランス!・・・うぁっ」
「他の男の名前を呼んでんじゃねぇよ」
 いやだいやだと泣きじゃくりながらここにはいない隣国の名を呼ぶイギリスの髪を掴み、触れる寸前まで顔を寄せた。
「なあ、お前を抱いてるのは誰だ?」
 破瓜の血を流しながら深くなる挿入に耐えている入り口をなぞれば、苦しそうに甲高い声が洩れた。
「お前の前にいるのは俺だろう?イギリス」
「プ・・・ロイ、セ・・・」
 途切れながらも呼ばれた名に笑みを深くして、手を放してやる。
「お前は俺のものだろう・・・?」



 エロ初挑戦です。どこまで表現してよいものか悩みました。
 てか、シチュエーションがわからん。対仏同盟頃のつもりなんだが、ここに至るまでの過程が気に入らなくて濡れ場だけに・・・(汗)。 
 最後のほうが普→英→仏っぽいですが、書き始めた頃(削った部分)は洪←普、仏←英に見せかけた普→←英というカオスでした。

 プロイセンはむっつりスケベで、「さすが俺」と思ってるけどどこか抜けてる不憫な奴。恋すると一途で空回りしまくる。征服欲独占欲めっちゃ強いけど、好きな人に嫌われるのが嫌で押さえ込んでて、だけどたまに爆発しちゃう感じ・・・(苦情こないよね?ね?)
 というわけで、愛はあります。表現し切れてないけど!