「――――!!――ヒ!お――、ロ――リヒ!――――聞けー!!」

 ごいんっと硬いものが頭に当たり、その衝撃でローデリヒは持っていたマイクを取り落とした。

「〜〜〜〜〜〜!!!???何をするんですかギルベルト!!」
「うっさい!貴族丸出しの内装と服装でヘビメタ歌うな!イメージ狂うだろうが!!」
「本職なんですよ。当たり前でしょう。・・・それとこれはハードコアです」
「ああ、そうなのか・・・って、嘘付け!お前んとこの曲の大抵はR&Bかブルースだろうが!もっと大人しい歌にしろ!!そうでなきゃ、せめて音量を落とせ!」
「大音量で聞いてこそのロックです!あとこれは新曲なんですよ」

 喧々囂々。
 身内ゆえの遠慮のなさが加わった口論は止まる様子がない。

「おーい。撮影始まるぞー・・・」
「聞こえとらんな」

 こうしている間にも時間は過ぎていく。



 さあどうしよう。