『1年生1学期期末考査上位成績者(50位まで)』が貼られている掲示板前にて



「ほぉー」
「へー」

 1位 アーサー・カークランド

「中間に引き続きアーサーが1位かぁ・・・」
「入学式の新入生総代もしとった文武両道な奴やからなぁ・・・この前、水泳部に勧誘されとったで」

 時期生徒会長間違いなしと言われているすっかり馴染みに成った顔を思い浮かべる。

「しかし今回も無事、我々の中に50位以内に入るなどという裏切り者はいなかったようだ!」
「おっしゃるとおりやんなあ閣下!」

 23位 ギルベルト・バインシュミット

「見るなカリエド隊員!現実は常に残酷にして俗悪!純真なる我々の心を汚すものでしかないのだ!」
「はいボヌフォア閣下!」

「・・・・・・・・・」

 やたらに演技がかったアクションをとるフランシスとアントーニョ。少し離れたところではギルベルトが他人のふりをしたいと思いながら立ち尽くしている。

「てかお前!ギルベルト!なんでさりげなく秀才ぶってんだよ!?この学校の1年人口何人だと思ってんだー!!??」
「知るか」
「438人なんよ!?438!その中の上位50人!」
「お前見た目アホで金閣寺建てたのは?って聞かれて大工さん!とかって答えそうな顔してんのに!小野妹子を女だと思ってそうな雰囲気してるのに!あれか!?ギャップ萌えとか狙ってんのか!?」
「外見で決め付けんじゃねーよ。てか小野妹子を女だと思ってたのはヴァルガス兄妹だろうが」
「あれは可愛いからええんや!てか、そうやったんかギル!入学式の1週間前に入院なんつーアホなことしたんもギャップ萌え狙いやったんか!?」
「んなわけあるかー!!!」

「てめぇら・・・廊下で馬鹿丸出しの会話してんじゃねぇよ」
「アーサー!」

 いつものように抱きつこうとしたフランシスがいつものようにアーサーに殴られて床に沈んだ。

「あははは、面白い人たちだねー」
「・・・・・・誰や?」

 いつもと違うのは一人でいることの多いアーサーに連れがいたこと。
 移動教室の途中らしく、教材を抱えたアーサーと全く同じものを持った大柄な男子生徒。夏の盛りはもうすぐな気温にも関わらずマフラーをしている姿はかなり浮いている。

「そんなに気にしなくてもテストなんて人生において大した意味なんてないよ」
「「!!!!!」」

 神の啓示のごとき言葉にフランシスが瞬時に起き上がり、アントーニョの目が輝く。

 開き直りの境地に達しそうな勢いの2人にギルベルトは溜め息をつく。アーサーを見れば同じように呆れた表情をして、連れを睨むように見た後、間に割って入った。

「えーと、こいつは同じクラスの奴でイヴァン・ブラギンスキという」 
「初めまして。よろしく」

 にこりと邪気のない笑顔でイヴァンは笑った。

「で、それを踏まえてあれを見ろ」

 指差されたのは掲示板。ついでのようにギルベルトも視線をやって・・・驚きに目を見張った。

 2位 イヴァン・ブラギンスキ

「「@#&%’()$%””=+*‘+!?」」
「主席と次席のコンビかよお前ら」
「こいつが纏わり付いてくるんだよ。好きで一緒にいるわけじゃない」
「酷いなカークランド君」









 某死神漫画のパロ
 ギルベルトが成績いいのは素行不良に見られて教師に目を付けられるのを回避するためです。
 あちこち性格間違ってるのは気にしないで下さい。