互いの理解と友好を深めるために交換日記を作ってみました。 各自、日記だけでなく思ったことや伝達事項など好きなように書いてください。 4月×日 晴れ 日本 僭越ながら私が一番手です。 前の会合は大変でしたね。屋形船でボートレースをすることになるとは思ってませんでした。 今日は農作業と雨どいの掃除をしました。畑の大根がそろそろ収穫時期なので楽しみです。 4月□日 曇り イギリス 日本からノートが配達されてきた。一週間かけての空輸だったらしい。 それにしても日本の文化は興味深いな。前に食べたブリダイコンはおいしかった。 今日は朝から晩まで仕事だった。EUの連中がうるさいのには困ったもんだ。 次はスイスに回せばいいんだよな?飛ばすか移すか迷うな。 4月△日 曇り スイス 朝起きたら枕元にノートが置いてあったのである。早くて安全なのは分かるが驚くのでやめてもらおう。危険物として処理しかけたのである。あとうるさいのはEUというよりフランスやドイツだろう。 確かに日本の文化は不可解だ。それと吾輩は大根は苦手だ・・・カブのほうがいい。 今日は武器の手入れをした。 4月☆日 雨 イギリス 何で戻ってくるんだ!? しかも鷹に持たせて空から投下させるのはやめろ。花壇に落ちかけて俺が怒られた。 とりあえず日本に回す。 5月○日 曇り 日本 時間がかかったと思ったら一度戻ってらしたんですね・・・。 イギリスさん、朝起きて枕元にノートがあると本当に驚きます。 スイスさんは他の国に囲まれてらっしゃるから輸送も何かと大変なんでしょうか? 次はスイスさんに回してみます。 縁の下に住み着いた猫が子供を産んでました。写真を同封します。 6月○日 晴れ スイス ・・・日本からここに届くまで半月かかっていた。 知人の移牧の手伝いをするために家を開けていたせいでさらに半月経って、合計でひと月である。 猫は可愛い。 6月□日 曇り イギリス 遅いと思ってたらそんなことになってたのか・・・。大陸と海を越えてるからなぁ・・・。 ところでスイス。投下するなとは言ったが、鷹ごと家に突っ込ませるのはどうかと思うぞ?窓から勢いよく入ってきたときは何事かと思った。 この猫、どうなったんだ? 6月●日 雨 日本 タイミングが悪かったようですね。すみません、スイスさん。 鷹で配達ですか。少し見てみたいです。 猫は少し前に家を出て行きまして、たまに庭で寛いでいます。 雨続きで外出できないので書庫の整理をしました。 6月▼日 晴れ イギリス 珍しく快晴。と思ってたら日本からノートが来た。今度は三日かかったそうだ、前より早いな。輸送機関の発達の賜物だろうか。 スイス、ヨーロッパから日本まで鳥を飛ばすのは大変だろう。試すようならシルフにお目付け役を頼むが・・・。 スペインから大量のトマトが送られてきた。腐りそうだから分ける。もらってくれ。 そろそろ定期会合の時期だな。モルジブかハワイにしようと思ってるんだが・・・どうだ? 6月□日 曇り スイス 玄関を開けると同時に顔面に向かってノートが飛んできた。嫌がらせか? トマトはありがたく頂こう。 シルフは風の精霊だったか?そんなに柔な鳥でもないが・・・念のために頼むとするのである。 その国選択は前に言っていたスキューバダイビングのためか? 宿泊のことを考えるとモルジブのほうがいい気がするが・・・。 6月◎日 雨 日本 初めて鷹便というのを体験しました。ただ過労で倒れてしまいまして、しばらく入院が必要なようです。 トマトありがとうございます。 会合場所はお任せします。 カビの生えた果物が納戸の置くから出てきました。今夜は魘されそうです。 6月◇日 曇り イギリス シルフの機嫌が悪かっただけだ。俺のせいじゃない。 流石スイスの鷹。根性あるな・・・。 モルジブで決定ということで段取り付けといた。 テーブルクロスの刺繍を仕上げる。 7月○日 晴れ スイス ・・・まあそういうことにしておいてやろう。 日本。鷹は会合のときに連れてきて欲しい。名はアルペだ。 暇つぶしに国境付近に罠を仕掛けてみる。 7月□日 曇りのち晴れ 日本 分かりました。責任を持って預からせていただきます。 上司から初物のスイカを頂きました。会合の頃には熟れたスイカを持っていけると思います。 たまった洗濯物の片付けで一日が終わりました。 7月◎日 曇り イギリス そういうこともなにもそうなんだよ!てか暇つぶしに面倒ごとを起こすなよ? スイカ持ってくるのか?現地集合だから移動が大変だと思うぞ。 国連主要国につけていた情報部から連絡があった。企みが成功した瞬間の喜びは何度味わってもいいものだ。 8月□日 晴れ スイス 今回の会合は実に静かだったな。 ・・・誕生祝い、感謝する。 伝書鳩の調教を始めた。 8月★日 晴れ 日本 どういたしまして。 海が綺麗でしたね。また行きたいです。 残暑見舞いを書きました。そろそろ住居を変えようと思っています。 9月○日 曇り イギリス 気に入ってもらえたようでよかった。 モルジブに泣き言を言われた。ばれないか冷や冷やしていたらしい。 9月□日 晴れ スイス 前に移牧の手伝いに行った知人からケステイレットのチーズが送られてきたのである。手伝いの礼らしい。 長期の野営訓練があるからその準備をしていた。 (*ケステイレット:チーズ分配祭り) 9月☆日 曇り 日本 イギリスさん、モルジブさんによろしくお伝えください。 スイスさん、お気をつけて。 そろそろ金木犀の季節です。 9月○日 曇り イギリス 伝えておこう。 こっちもブドウの季節だ。同居人たちにせがまれてジャムを作った。もう少ししたらフランスからワインをぶんどってこよう。 立て込んでいた件が片付いた。しばらく休暇をとることにした。 9月◆日 曇り時々雪 スイス 野営訓練中にノートを持ってイギリスがやって来た。 前触れもなく湧いて出て来たせいで、新入り隊員が腰を抜かしてしばらく使えなくなったのである。 ブドウのジャムとバニラの紅茶葉を置いて帰っていこうとしたので、その場で書いてノートを渡す。 10月□日 晴れ 日本 纏まった休暇を利用しての小旅行の途中だったそうですよ。 しばらくうちに滞在された後、急用で出て行かれました。 頂いた5つのジャム瓶のうち3つがなくなっていて、代わりに花の種が置かれていました。同封します。 10月▽日 曇り イギリス ようやく帰れた・・・。休暇を延長したせいで仕事が溜まっていた。最悪だ。 スイス、俺は虫か?移動先が少しずれただけだ。驚かせるつもりはなかった。 種はお礼だろうな・・・庭に植えてみよう。今度からあいつら用にも作っておく。 アメリカの上司から謝罪の手紙がきていた。 10月●日 晴れ スイス 帰宅したら玄関にノートが置いてあった。郵便受けに入れようという考えはないのか。 アメリカは何をしたのであるか? 前に仕掛けた罠にイタリアが引っかかっていたのである。 さて、伝書鳩の調教の結果を試してみるとしよう。 11月☆日 晴れのち曇り 日本 スイスさんから鳩便が来ました。・・・あの、本当に鳩ですか?かなり大きいように思われるのですが・・・。それとイタリアくんはどうなりました? イギリスさん、あまり危ないことはしないで下さいね。いつでもお手伝いしますから。 囲炉裏のある東北の家に移りました。 11月●日 曇り イギリス アメリカが住居不法侵入罪でうちの警察に捕まったんだ。おかげでカナダに会いに行く予定だったのを延期するはめになった。 ムカついたから簀巻きにして笠と蓑を着せてアメリカの上司の家の前に地蔵と一緒に置いてきた。 フランスからワインが送られてきた。『スイスをどうにかしてくれ』って手紙がついてたんだが・・・何をしたんだ? 11月▽日 雪 スイス 間違いなく鳩だ。少し鍛えすぎたかもしれんが・・・。 イタリアはどこからともなくやってきたドイツが連れ帰った。あの2人の関係は実に興味深い。 ・・・・・・心当たりがありすぎて分からんな。放っておけ、イギリス。 雪山で遭難した輩の救助に借り出された。 11月◇日 雪のち曇り 日本 笠地蔵ですか、イギリスさん。カナダさんといえば英連邦の方でしたよね。お会いしたことはありませんが・・・。 イタリアくんとドイツさんは仲がよろしいですから。・・・時々行き過ぎている感もいなめませんでしたけど。 近所の方に招かれて蟹鍋をご馳走になりました。 11月☆日 曇り イギリス ああ、そんな題名の話だったか。内容だけ覚えてたんだ。 日本もスイスもカナダに会ったことはなかったか?いい奴だぞ。アメリカと違って。 スイスの鳩は構造的におかしい。前にノートとジャムを持って行ったときに見たが、あれだと筋肉で飛べないと思うぞ。 同居人にマフラーを編んだ。 11月○日 雪 スイス ないな。そもそもヨーロッパ以外の国は日本以外知らん。 飛べれば問題ない。なんなら前に借りた本を持って行かせてみせるが。 クリスマスマーケットの飾り付けが始まった。 11月▽日 晴れ 日本 クリスマスマーケット・・・?うちでは聞きなれない言葉です。 そろそろ1年が終わりますね。年賀状と大掃除の算段をつけようかと思います。 登校中の子供さんが雪ウサギを下さいました。 12月◆日 霧 イギリス 日本は元々クリスマスを祝う習慣自体がないからな。一度見に行ってみればいい。凄いぞ。 スイスから本が返ってきた。・・・スイス、あれは鳥の飛び方じゃない。ジェット機の飛び方だ。鳩相手に命の危険を感じることになるとは思わなかったぞ。 前にもらった種から芽が出た。まだなんの植物かは分からない。 12月◎日 雪 スイス そういえば日本は仏教のほうが先であったな。 ・・・ちょうどいい。次の会合場所に悩んでいたところである。うちに来い。 鳩はいざというときは標的に突進してダメージを与えるように調教しているのである。 雪かきをした。 12月□日 曇り 日本 ・・・鳩さんたちが寒い中を飛べるのもスイスさんに鍛えられたせいなんでしょうか。 お言葉に甘えて、休暇を取れ次第そちらへ行かせて貰おうと思います。 早めの大掃除をしました。大変興味深いものを発見したのでお持ちします。 12月☆日 霧ときどき晴れ イギリス 招待は嬉しいんだが、恐妻家の上司がクリスマスの前後は絶対に仕事をしないと宣言しやがったせいでしばらく缶詰決定だ。 クリスマスまでには必ず行く。 日本の言っているものが何なのか非常に気になるんだが・・・。 12月▽日 雪 スイス 日本がやって来たのでバーゼルのマーケットに連れて行った。 一日で回りきれそうにないので、街のホテルに泊まっている。 来れるようになったらそっちに (文字が乱れていて読めない) 国境付近でイタリア兄弟とドイツ、オーストリアに遭遇。 ドイツ国内を逃亡中。どうにかしろ。 1月☆日 晴れ 日本 クリスマスはお疲れ様でした。無事に年が越せてよかったです。 スイスさんのクリスマスマーケットをきちんと見れなかったのは残念でしたが、来年に望みをかけたいと思います。 年賀状の仕分けをして七草粥を作りました。 1月□日 曇り イギリス ああ、お疲れ。まさかノートで救援要請出されるとは思わなかったぞ。 とりあえずドイツのクリスマスマーケットに行けたからよしとするか? この前の埋め合わせでカナダに行って来る。オーロラが楽しみだ。 2月▽日 雪 スイス 他に連絡手段がなかったのだ、仕方なかろう。 来年はチューリッヒに行くことにしよう。 軍事訓練が再開された。 2月◎日 雨 日本 上司が変わったり政治に支障が出たりとあわただしい日が続きます。 しばらく仕事場の近くに居を構えることにします。 2月○日 晴れ イギリス 帰国すると同時にノートが届けられた。いつもより遅い。 本当に忙しいんだな、日本・・・。 チューリッヒというとスワロフスキーのオーナメントが有名なところか。 もらった種が葉を付け出した。どうやら鬼灯のようだ。 日本が行方不明になったと連絡が来たが、何か知っているか? イギリス なんでわざわざノートに書くんだ。電話・・・は盗聴されてるかもしれないが、手紙でいいだろ。 ・・・置手紙はあったんだろ? スイス ”アメリカの腹をふごふごして来る”というのが置手紙の意味を持つと思っているのか? あ奴なら多少のことは問題ないだろうが、一週間も音信不通というのは日本らしくない。 イギリス まあな。トラブルに巻き込まれている可能性はある。 ・・・ふごふごってなんだ? スイス 知らん。 アメリカのところへ行くつもりだが、どうする? イギリス 調べたところによるとアメリカなら今エジプトに居るってよ。 一応アメリカで日本を探してからエジプトへ行く。お前は直接エジプトに行ってアメリカを踏むなり縛るなり捕獲でもしといてくれ。 スイス 了解である。 「さて、行くか」 ノートの続きは後でだ。 えー・・・かなりの突貫工事につき、質問等引き受けます。変なところがないと言えない・・・。 時間軸としては同盟組んでしばらくしてから。 まだネットや携帯のなかった時代です。 ○スイスは妖精が見えるの? 端的に言うと見えません。日本もそうです。 妖精の名前や外見・能力は全てイギリスに教えてもらったり、文献で知ったりしたものです。 日本は妖怪たちの自己アピールが凄いので感じる程度はします。ですがそもそもスイスには妖精や妖怪といった”肉体を持つ”人外が存在しません。(他の国からやってきた妖精とかはいますが) シルフはスイス由来の精霊ですが、ここでの精霊は意思の集合体なので目に見えるものではないのです。妖精にとっての妖精だと思ってくれればいいです。妖精を仲介して意思の疎通をする相手で、イギリスにはその仲介役をしてくれる妖精がいるので別の国の妖精・精霊にも頼みごとが出来ます。 余談ですが、スイスの顔面にノートが当たったのはアルペ(スイスの鷹)を心配したシルフの八つ当たりです。動物は精霊・妖精を感じ取る勘を持ってる場合がありますからね(猫とか幽霊見えるらしいですから)。というわけでアルペは”見える鷹”です。 |