SHK撮影現場。

 衣装に着替えたアーサーがスタジオに入って最初に見たのは、小道具の機関銃を両手で抱え込んでふらついているバッシュだった。

「重い・・・」
「だ、大丈夫ですか?」
「無理・・・」
「バッシュくーん。ちょっといい?」

 遠くからマネージャーがバッシュを呼ぶ声がした。

 ぐらぐらしているバッシュを支えていたアーサーとバッシュの視線がかち合い、しばし無言の時が過ぎる。

「「・・・・・・・・・」」
「持ってましょうか?」
「頼む」

 困った顔をしたバッシュの視線に負けたアーサーが機関銃を受け取る。
 見た目を裏切らない重量にこれはよろめきもするだろうなと思いながら、近くの椅子に座ってまじまじと機関銃を眺めた。

「よく出来た小道具ですねー」
「ああ、それ本物だから」
「・・・え゛?」