フランシスとの馴れ初めについて尋ねられたアーサーは、数時間に及ぶ説得もとい懇願に折れてようやくその口を開いた。

「あー・・・確か・・・いい加減フランシスの野郎がウザくてキモくてうっかり殺しそうな気分になった日のことで・・・」
「「・・・・・・・」」

 相変わらずフランシスに容赦のないアーサーの物言いにアントーニョとギルベルトの顔が引きつる。

「いつものように鳥肌たつような勢いで口説いてきて、告白されて、断ってもどうせまた纏わり着いてくるからいっそ付き合ってから捨てようかと思ったんだ」
「え?そんな理由なん?」
「9割は」

 返答に優しさの欠片もない。
 あの親友は本当に報われているのか楽天家のアントーニョですら心配になってくる。

「素直に同意するのも癪だったから、回し蹴りから踵落としの2連コンボいれて、2分以内で立ち上がれたら付き合ってやると言ったんだ」
「・・・・・・立ったん?」
「1分かかってたけどな」

 不満そうな物言いに、いやそれ十分すごいからと心中でツッコむ。
 なにせこの生徒会長、童顔でひ弱そうな見た目に反してかなりの猛者で、制限速度オーバーで夜道に騒音を撒き散らしていたバイクの側面を蹴り付けて横転させるような人物なのだ。

 ・・・実は結構凄いんじゃないか?フランシス
 鍛えられてないか?フランシス

「今やったらどうなるんだろうなぁ・・・?」

 こいつ、試す気だ・・・!!

 アーサーの目は心なしか好奇心で輝いていた。






 ハイ●コアはいいネタだと思います。