「僕、あの子嫌いだよ」

 いきなりそう告げられてついロシアの隣国をリストアップしてから、もう大国と呼ばれるまで成長したのだからいじめられたわけではないだろうと打ち消した。
 いじめられっ子で、雪に埋もれながら泣いていた子供の記憶は未だ強い。

 それじゃあ最近外国に何かされていただろうかと思い浮かべて、それでも心当たりはなくて首を傾げる。

 あ、ますます機嫌が悪くなった。

「・・・僕だけのだったのに」

 ぽつりと洩らした言葉に今はいない大陸の子供に思い至る。

「アメリカか?」

 ただでさえ不機嫌そうな顔がさらに膨れて、ああ当たりだったかと確信する。

 国である以上なかなか構えないのは仕方ないことで、昔からのことなのだが、他の国に構っているのは嫌だということか。

 隣に座って頭を撫でてやればもっとというように擦り寄ってきた。腹に腕を回されて膝の上に頭がのせられる。
 図体のでかい動物にじゃれつかれている気分だ。うん、かわいい。フランスを筆頭としたヨーロッパ国には何か別のものが見えてると主張されるけどそんなことはない。

「・・・あの子ロシアにし「駄目だ」

 あ、また機嫌が悪くなった。








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 子供返りを起こす長男なロシア。
 イギリスの目にはロシアがコルコル言ってようが黒い笑みを浮かべてようが可愛いとうつる法則。趣味が悪いのか何かのフィルターがかかっているのかは謎。