「・・・・・・・・・・・・」
 ぷちぷちぷちぷちぷちぷち
「・・・・・・・・・・・・」
 ぶちぶちぶちぶちぶちぶち

 庭で向かいあう子供と大人。

 ふと気が向いてアメリカのところへやって来たフランスは、その光景を目に入れるなり無意識に呟いた。

「何だこりゃ?」
「あ!ふらんす!」

 距離はあいているものの遮るものがないアメリカの庭で、フランスの声に気づいたアメリカがこちらを向いて手を振ってくる。
 その向かいに座っていた男も顔をあげてフランスを振り返った。

「あれ、フランス君だー。久しぶりー」
「・・・なんでロシアがいるんだよ」

 のんびりとした動作で手を振ってきたのは腐れ縁の隣国ではなく、少し遠い寒冷地を住処にしている国だった。

 なんでロシアが。ああ、いや、この前一緒に歩いていたな。

 ヨーロッパでアメリカとロシアを連れたイギリスを見るなり「イギリスがロシアの子供を産んだ」発言をしてロシアの港に沈められかけたのはつい最近のことだ。

 あまり仲がよさそうにみえなかったアメリカとロシアだったが、それがどうして海の向こうのアメリカの地で仲良く向かい合っているのだ。いや向かい合っているだけでなくイチゴのヘタを真剣に毟っていたのだが、なんとなく予想がつくから気にしないことにする。

「イギリスがね!いい子にしてたら泊まってくって言ったんだ!」
「いじめちゃだめって言われたからねー」
「・・・そうか」

 ベビーシッター、もしくは猛獣使い。
 そんな単語が頭に浮かんで、他国にもこいつらに向ける一割分でもいいから優しさをくれないかと懇願したくなった。







 仏を不憫(?)にすると話を纏めやすいことに気づいた。
 お手伝いするロシアと子アメリカって可愛いと思う。
 イギリスは中で鍋の用意をしてます。あとイギリスの手作りジャムはおいしいと思ってます。