人は――愚かだ 戦乱の傷跡は 深く残され 決して消えることのない汚点を 刻みつける 世界は――残酷だ 国境という線引きがあり 人種という違いがあり 思想という思いがある世界 それは永遠の不変の定理 人は――逞しい 『常に分かり合おうということなど無理なことだ』 諦めを通り越して開き直りの境地に達した人々の立ち直りは早かった 動乱の時代から数百年 世界は再生の終結が近づいていた 世界は――優しい ゆっくりと 確実に過ぎる時は 何ものも拒むことなく 全てを受け入れる 『国際統括本部より緊急伝達事項です』 ひとつの知らせが、新たな時の来訪を告げた。 next→望まぬ平和 |