3.空回りしたやる気が大惨事を引き起こしてしまった件について。




 イギリスと俺の間にはテーブル。その上にはいい香りを漂わせる紅茶と俺が持参した菓子と謎の物体X
 物体と呼ぶと『物体』という単語がかわいそうになってくるけど一応固形だから物体と呼ぶしかない正体不明意味不明な代物。

「・・・イギリス、これは」
「フランス」

 何だ?と聞く前にイギリスに遮られた。
 珍しくも笑顔の大放出セール中だ。
 だが騙されてはいけない。騙されたいのが本心だけど長年の生存本能がそれでは駄目だと訴えてくる。
 だって彼が今までなんの含みもなく俺に笑顔を向けたことがあっただろうか?いや、ない。悲しいことにそんなことは一度もない。

「食べるよな?」
「いや、これは、流石に、その・・・」

 にこにこにこと花が舞わんばかりの満面の笑み。
 だけどその笑顔を見て思うのが安らぎや幸せではないのが悲しい。

「フランス?」
「・・・・イタダキマス」








嫌がらせか愛か迷うところだ

 ノーコメントで。