5.一思いに殺すつもりが、うっかり手が滑って痛々しいことに。






「イッギリスーvv」
「やめんかこの馬鹿ー!!」

 後ろから抱き着いてきたフランスに足払いをかけ、体勢を崩したところで腕を掴んで背負い投げ、さらに地面に着く前に腹にかかと落としをくわえ、くの字に折れ曲がった体の顎にアッパーを叩き込む。
 結果―――フランスは受身を取る暇もなく吹っ飛んだ先にある花壇に突っ込んだ。

「ああ!?スミレが!」
「・・・フランスの心配はせんのかい」

 フランスの下敷きになった花に慌てるイギリスに、たまたまその様子を見ていたスペインがツッコむ。その隣ではロマーノが技の鋭さに怯えていた。
 地面に這い蹲ったままピクリともしないが果たして生きているんだろうか。いや、あんな変態は別に死んでもいいんだが、だがしかし目の前で死なれるのは目覚めが悪いし・・・。ロマーノがそんなことを考えているとイギリスが動いた。
 フランスに近づいていくから助け起こすのかと思っていると、どごとかどかとかそんな感じの音がして、フランスの体が地面を転がる。

「いつまで寝てんだ、てめぇ。花が可哀想だろうが」

 いや、どっちかというと気絶してるんだろ。てか花のほうが優先順位上!?

 








このうっかりを何度繰り返すのだろう

 一思いに殺すのも嫌だ。